西宮の方より相続に関するお問い合わせ
2023年04月04日
Q:司法書士の先生、母が認知症を患っているのですが相続手続きはどのように進めればいいのでしょうか。(西宮)
西宮在住の50代男性です。同じく西宮に暮らしていた父が亡くなり、相続手続きを始めたところです。相続人は母と私と弟の3人です。遺言書は残されていませんが、父は生前から遺産の相続方法について私達兄弟に話をしてくれていましたので、遺産分割については揉めることなく終えることができそうです。
しかし、相続人の1人である母は認知症を患っています。署名や押印もままならない状態で相続手続きが滞ってしまい困っています。今後どのように相続手続きを進めるべきでしょうか。司法書士の先生にアドバイスをいただきたいです。(西宮)
A:相続手続きを進めるために、家庭裁判所に成年後見人を選任してもらう方法をご紹介します。
相続手続きの際に必要となる署名や押印は法律行為にあたりますので、ご家族の方であったとしても正当な代理権もなく代行することはできません。このような場合に相続手続きを進める方法として、成年後見制度をご紹介いたします。
成年後見制度とは、認知症だけでなく精神障害、知的障害などの理由でご自身での判断が困難な方を保護するための制度です。先述の通り相続手続きには法律行為が伴いますので、認知症等により意思能力が不十分と判断された方は行うことができません。成年後見人という代理人を立てれば、成年後見人に遺産分割を代行してもらうことが可能となります。
成年後見制度を利用するには民法で定められた一定の者が家庭裁判所に申立てをします。そしてご本人にどのような支援が必要となるかを考慮し、成年後見人に最適な人物を家庭裁判所が選任します。
成年後見人はご親族が選任されることもありますが、状況によっては第三者である専門家や、複数名の成年後見人が選任される可能性もあります。また以下に該当する人物は成年後見人になることはできないのでご注意ください。
- 破産者
- 未成年の者
- 行方不明の者
- 家庭裁判所によって解任された法定代理人・保佐人・補助人
- 被後見人に対して訴訟をしたもしくはしている人、およびその配偶者、その直系血族
なお成年後見人が選任されると、今回の遺産分割協議だけでなくその後のお母様の生活においても利用が継続されます。今後も成年後見人が必要かどうかよく検討してから活用しましょう。
今回のように認知症等の理由により判断能力が低下している方がいらっしゃる場合、相続手続きを進めるには専門的な法律の知識が必要となります。相続手続きにおいてご心配な点があれば、ぜひ一度西宮相続遺言相談センターへご相談ください。相続についての知識と経験が豊富な司法書士が、西宮および西宮近郊にお住まいの皆様のお力になります。
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