西宮の方より遺言書に関するご相談
2024年09月03日
Q:父の自筆証書遺言を発見しました。司法書士の先生、この遺言書を母と一緒に開封してよいでしょうか(西宮)
西宮に住む父が亡くなりました。西宮での葬儀が無事終わり、母と遺品整理をしていたところ、西宮の自宅で遺言書の封筒を発見しました。封筒には父の自筆で遺言書と書かれており、封がされています。相続人は母と長女である私と弟2人です。私は西宮に住んでいますが、弟2人は遠方に住んでいます。全員が集まる機会を作るのが難しいため、私と母で開封して中身を確認しようと思うのですが問題ありませんか?(西宮)
A:自宅保管の遺言書は開封前に検認を行う必要があります。
今回西宮のご相談者様が発見した遺言書は「自筆証書遺言」かと思いますが、遺品整理により自筆証書遺言を発見した場合、勝手に開封してしまうと5万円以下の過料に処すると民法によって定められています。発見した遺言書は開封せずに封がされた状態で家庭裁判所で検認を行う必要があります。家庭裁判所で検認を行うことにより、その遺言書の形状や検認の日における内容や訂正等を明確にします。また、封がされていた遺言書が家庭裁判所での検認によって開封されるため、遺言書の内容の偽造や変造を防ぐことができます。
自筆証書遺言を発見したら勝手に開封せず、戸籍などの必要書類を用意し、家庭裁判所へ検認の手続きを行いましょう。申立人以外の相続人が全員揃わなくても検認の手続きは行われます。家庭裁判所での検認の手続きが済んだら、検認済証明書の申請を行いましょう。遺言書がある場合の相続では遺言書の内容が優先されるため、遺言書の内容に沿って相続手続きを進めます。
遺言書によって一部の相続人の遺留分を侵害されている場合、その相続人は遺留分を請求することができます。
以上が自筆証書遺言を発見した場合の手順となります。
なお、2020年7日からの自筆証書遺言書保管制度により、法務局で保管された自筆証書遺言は、家庭裁判所での検認は不要となります。
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